名古屋の企業法務、離婚、相続、交通事故は、大津町法律事務所(弁護士 馬場陽)愛知県弁護士会所属

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20歳を過ぎた子どもの養育費を支払う必要があるか

20歳を過ぎた子どもの養育費を支払う必要があるか

1 養育費とは、未成熟子を養育するための費用です

 養育費とは、一般に、未成熟子を養育するために親が負担する費用であると説明されています。
法律上は、民法766条1項に定める「子の監護に要する費用」がこれにあたり、父母は、その離婚に際し、子どもの養育費について取り決めをすることとされています。

2 一般的には満20歳まで

 それでは、ここでいう未成熟子とは、どのような子どもをいうのでしょうか。
 一般的には、満20歳になるまでの未成年者が未成熟子であると考えます。
 家庭裁判所の調停や審判・判決でも、父母の離婚にあたり、子どもが満20歳になるまでの養育費を定めることがほとんどです。
 したがって、全国の家庭裁判所は、上記のような考え方に基づいて運用されているものと考えられます。

3 成人しても養育費がかかる場合がある

 しかし、中には、子どもが成人していても、未成熟子あるいは未成熟子に準じるものとして、扶養料の支払いが命じられる場合があります。
 例えば、成人の子どもが現在大学生で、学業と仕事の両立が難しく、当面の間は親の仕送りで生活しながら学業に専念するほかないような場合、裁判所は、これを未成熟子あるいは未成熟子に準じるものと考えて、例えば満22歳や大学卒業の月まで養育費の負担を命じることがあります。
 あるいは、もうじき子どもが成人するけれども、病気や障がいのためすぐに働かせるのが難しく、稼働までしばらく監護を要するような場合、子どもが成人してからも、一定の年齢に達するまで養育費を負担する必要があると思われます。

4 未成熟でなくても扶養義務がある

 もっとも、民法は、親子の間には、互いを扶養をする義務があるとしています(民法877条)。
 つまり、仮に、子どもがすでに成人しており、未成熟子とはいえないとしても、子どもに収入がなく、親に収入があるならば、親は、子どもを扶養するため、一定の生活費を負担することは避けられないのです。
 ですから、子どもが未成熟子かどうかということを議論する意味はそれほど大きくはありません。
私も、理論的には、成人の子どもの場合、別居親が同居親に対して養育費を支払うのではなく、別居親と成人の子どもが互いに大人同士として話し合い、学費や扶養料の取り決めをするのが本来の姿であると思います。

5 無職の子どもの稼働能力は考慮されるべき

 ところで、親が成人の子どもに対しても扶養義務を負うとすると、働く能力が十分あるのに働かない成人の子どもを親は一生扶養していかなければならないのか、という問題を生じます。
 大変な努力をして現在の収入を保っている親からすれば、これは納得がいかないかも知れません。
 その場合は、もちろん、成人の子どもの潜在的稼働能力を評価した計算方法で扶養料を算出すべきだと考えます。

弁護士 馬場 陽
(愛知県弁護士会所属)

※ 2015年9月30日の法令と運用に基づく解説です。

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