名古屋の企業法務、離婚、相続、交通事故は、大津町法律事務所(弁護士 馬場陽)愛知県弁護士会所属

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契約書作成時の注意点

契約書作成時の注意点

契約書作成時は、債務内容の特定に特に注意する。

1 契約書を作る目的

 最近、企業間取引における契約書の重要性が認識されるようになってきました。ひとたびトラブルが発生したときに、契約書は強力な武器となります。取引当事者間の信頼関係が強い業界では、まだまだ契約書が作成されないことも多いようですが、最近はむしろ、企業同士が互いに信頼し、安心して履行を行うために契約書を作成することが推奨されています。

 そこで今回は、契約書作成時の注意点について解説します。

2 契約の当事者

 まず、契約の当事者が正しく表記されているかが重要です。意思自治の原則から、契約は、合意に参加した当事者しか拘束することができません。そこで、契約の効果を及ぼしたい当事者の名称がきちんと表示されているかを確認しておく必要があります。

 契約の当事者がきちんと表示されている場合、次に、契約書の署名者又は捺印者が、当事者から正しく授権されているかが重要です。法人の場合、代表者であれば代表権がありますが、代表者でない者や本人でない者が署名又は捺印する場合が問題です。

 このような場合、代理権・代表権の有無は、民法、商法、会社法等の規定によって定まります。例えば、支配人であれば特定の営業所の業務全般について代理権があるとされ(商法21条、会社法11条)、本店の営業部長であれば、本店の営業に関する代理権があるものと考えられます(商法25条、会社法14条)。

3 契約内容の特定

 次に、契約内容の特定です。その契約により、誰が、誰に対し、どのような債務を負うのかということが一義的でわかりやすいのが好ましい契約書です。

 債務の内容が何かということは、当事者はどのような場合に瑕疵担保責任(民法570条等)や債務不履行責任(民法415条)を負わなければならないかという問題と表裏の関係にあります。

 契約書の文言から、自社は何をどこまでやれば契約違反といわれなくて済むのか、取引先の履行がどの程度の水準であれば返品ができ、どんな事情があれば契約を解除できるのか、こうした重要な事柄が、債務の内容によって定まります。

 しかし、複雑な取引社会で行われている契約上の債務の内容を文章で正確に表現するのは、実際には容易ではありません。契約書に使用される用語の意味を正しく理解していなかったり、どちらとも読めるような多義的な用語を用いたことで、契約書の解釈をめぐってトラブルになることも珍しくありません。こうしたトラブルを回避するためには、業界の言語をいったん市民社会の共通言語である法律用語に変換してから契約書を作成する必要がありますが、これには一定の法的素養が必要です。

4 契約の有効性等

 こうして、契約の内容が定まっても、定められた契約の内容が公序良俗に反していたり(民法90条)、およそ実現不可能であるなどの場合には、その限りで契約の効力が認められません。これは、契約の有効要件といわれる問題です。

 また、私法上契約が有効とされる場合でも、債務の内容が経済法、環境法等の諸法令に違反している場合には、これを履行し又は履行させることが禁止や制裁の対象となり得ます。弁護士や管轄の官庁に問い合わせるなどして、リスクを回避することが大切です。

弁護士 馬場 陽

(愛知県弁護士会所属)

※2015年5月2日現在施行されている法令に基づく解説です

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