名古屋の企業法務、離婚、相続、交通事故は、外堀法律事務所(弁護士 馬場陽)愛知県弁護士会所属

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配偶者に子どもを連れ去られたら?

配偶者に子どもを連れ去られたら?

監護者指定及び子の引渡審判、審判前の保全処分を申立てるのが王道です。

1.離婚までは共同監護が原則

 民法は、親権者が子どもの監護を行うことを原則とします(民法820条)。
 婚姻中の父母は、共同で親権を行使することと定められていますから(民法818条1項、3項)、離婚前の夫婦は、共同でその子どもを監護しなければなりません。
 それでは、夫婦のどちらかが実力で子どもを連れ去り、配偶者の同意なく単独監護を開始してしまったとき、残された配偶者には何ができるのでしょうか。

2.監護者指定・子の引渡し審判を申立てる

 このようにして開始された単独監護は、共同親権者の同意のない、事実上のものに過ぎません。
 そこで、法律は、このような事態に備えて、監護者指定・子の引渡しの調停手続・審判手続を用意しています。
 監護者指定とは、別居中の父母が、離婚までの間の子どもの監護について、家庭裁判所で協議をしたり、裁判をする手続です。
 子の引渡しは、文字通り、子どもの引渡しを求める手続です。子どもの連れ去り(連れ出し)が問題となる場合、非監護親(子どもを連れ出された親)が、監護者指定と子の引渡しを同時に申立てることがほとんどです。

3.監護者指定・子の引渡しの判断基準

 監護者指定・子の引渡し審判事件の判断基準は、離婚事件における親権の判断基準とかなり類似しています。 そこでは、母性の優先、監護の継続性、子の意思などを中心にして、住環境や経済的環境などの諸要素が比較衡量されます(→くわしくはこちら)。

4.調停前置主義

 これらの事件は、調停前置主義といって、まず調停から行われます。そのため、審判手続に進むまで、非常に時間がかかります。
 そのため、非監護親から依頼を受けた弁護士は、多くの場合、審判前の保全処分(後記5)の利用を積極的に検討します。

5.緊急性が高い場合は審判前の保全処分を

 子どもが違法・不当な態様で連れ去られたり、現に監護する親による虐待が疑われるなど、緊急性の高い場合は、同時に審判前の保全処分を申立てなければなりません。
  審判前の保全処分では、本案である監護者指定・子の引渡し事件とは異なり、緊急に子の引渡しを命じなければならない事情(保全の必要性)も主張し、立証していく作業が必要となります。

6.迅速な対応が決め手

 このように、法的手続は用意されていますが、実際には、子どもを監護する親から子どもの監護を取り戻すのは、極めて困難です。
 非監護親(離れて暮らしている親)にとっては、時間が経てば経つほど現状が固定され、形成は不利になります(→「片親疎外」といわれる問題については、こちら)。
 迅速な対応が勝敗を左右しますので、速やかに専門家に相談することをお勧めします。

弁護士 馬場陽 (愛知県弁護士会所属)

2015年5月20日現在の法令に基づく解説です。

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